僕は大学の頃は、ゲーム理論のゼミに入っていたので、このタイトルみたいな卒論を書いてました。かなーり数式が出てくるので今見返してもよくわからないのですが、今回はヲタクをやっているとよくある「何でチケットって値上げしないの?」という疑問を考えてみます。
そもそも高いや、安いというのは個人の感情であり、個人の収入や貯蓄によって変わってきます。ただ、市場的には「その金額で欲しがっている人がいるのに、売るものがなくなる」という状況は価格が低すぎると判断できます。値上げすることで需要を減らし、売る量と購入される量がぴったり一致するのが理想です。
例えばです、現在、500万円で販売されているBMWが50万円に値下げされたとしたらどうなるでしょうか。需要が殺到し、あっという間にBMWの生産は追いつかなくなります。50万円で欲しい!って人が溢れているのに売るものがない、という状況になります。これを解決する手段は2つ。生産を拡大するか、値段を上げるかです。
上記BMWの状況は、8,000円で嵐のチケットが欲しい!という人が溢れているのに、全員が買えない状況と全く一緒です。ここでも解決手段は同じく2つ。会場規模を広げてチケット販売数を増やすか、価格を上げるかです。
嵐レベルだと、既にドームツアーをやっていて会場の規模を大きくすることは現実的でなく、テレビで活躍する人たちなのでコンサート日程の追加も難しいのでしょう。売るチケットを増やすのは厳しそうです。
ではチケットの値段を上げるしか解決法はないのですが、上がっておりません。落選が出なくなるまで上げるのが理想なのですが、何故チケット価格はあがらないんでしょうね。僕は2つの理由があると考えてます。
嵐やEXILEの興行はコンサートだけではありません。CD売り上げやテレビドラマ、バラエティ、雑誌出演など複合的にビジネスをしている訳です。CDを売り上げるために、テレビの視聴率を上げるために、雑誌が売れるために必要なのは「数の力」です。ライト層含め、何十万、何百万人というファンを抱えてこそ、成り立つビジネスを彼らはやっているんです。
チケット価格を上げる話に戻します。チケット価格が上がると需要が減ると書きましたし、その通りなんですが、どのように減るかを想像する必要があります。
なんとか1万円ならチケット代を出せる高校生が居るとします。チケット代が1万2千円へ上がったとします。この高校生はお金が無いのでチケットに申し込めません。結果需要が減るわけです。そうなんです、需要が減るってことは誰かが金銭的な制約で「諦めること」と同義なんです。
チケットの値段が上がって、申込みさえできなくなったその高校生が、今までと同じようにファンでいるでしょうか。そのグループがテレビに出ているのを見て、快く思うでしょうか。
つまりチケットの値上げで、申込みの足きりをすると、足きりされた人がファンから脱落していく恐れがあり、それが膨大になってくると、CDやテレビでのビジネスに支障をきたすんです。だから値上げしない、と僕は思ってます。
コンサートのチケットが安いと、興行主にも損益を与えます。チケット代2万円でも払っていいと思っている人がいても、8千円で売ってしまったら1万2千円取り損ねることになりますよね?だったらチケット代を2万円にして全回収してしまったほうが効率的では?というのが普通の考えです。
ただ、上にも書いたように、アーティストは多角的なビジネスを展開しています。1万2千円余ったファンはそれをグッズやCD購入に回すことができます。結局チケットで取らなくても、どこかで回収できるんですよね。特にグッズはコンサートとの関連性が高いため余った予算を奪うには最高のシステムでしょう。
コンサートはファンの予算を吸収する手段の一つと考えると、低価格チケットで運営されていることも納得がいきます。
というようなことをモデルを組んで、証明するとゲーム理論とかの卒論になりますので興味ある方は是非。
ブログ一覧へ